カローラの「変われるって、ドキドキ」、「ココロとカラダ、にんげんのぜんぶ、オリンパス」で有名なコピーライターの本です。
著者がコピーを書くにはどういう事を考えているかを紹介しています。
一般的な本と違い、コピーの書き方を習うにはわかりにくいです。
つまり、面倒くさいです。(笑)
その理由は、お客様に評価(選択)していただく為には、思いつきでできるものではなく、それなりに、順序を経て考えていくものだからです。
楽をしたい人ではなく、プロセスに沿って難しく考えたい人には、腹落ちする本だと思います。
ポイントは以下です。
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1.広告のように誰かに提案するものなら、アイディアは、自分の世界観や価値観の無垢な表現ではない。
2.表現は、条件であること以前に伝達である。
3.提案においては、受け手、つまりアイディアを評価する人の尺度が、全てである。
4.受け手がアイディアの提案を、自分にとってベネフィットだと評価することが、評価を受ける絶対条件。
5.ユニークを測る、ユニークな尺度などない。
6.アイデアを提案する仕事はどんな仕事も、表現する→選ばれると言う文脈においては、音楽や文学やコミックや映画などと、何ら変わりがない。
7.選ばれる喜びを知らないから、選ばれることに執着しない。
8.選ぶ人間にしてみれば、アイデアを提案してくるのは、君だけではない。
9.他人の痛みを知らないから発言や表現で不用意に人を傷つける。
10.他人の喜びを知らないから、そこへ導いてあげるアイデアを提案できない。
11.他人の気分を知らないから、空気読めない奴、と指を刺される。
知ることは経験することでしか叶えられない。
あらゆる人や物事や事実は、他の無数の人や物事や事実と、結びつきながら存在している。
経験した量が自分の量。
考えることは、経験である。その経験が、考えるきっかけになる。
「一番最初に思いつく事は、誰でも思いつくことだ。そこで考えるのをやめちゃいけない」と、思っている。
「選ばれるユニーク」とは、だれも考えないことではなくて、誰もが考えれはするが、誰も考えつかなかったことなのだ。
経験には種類がある
経験は、意図的に増やせる
極めつけは、脳内経験だ
それにはアングルとツリーがある
脳内アングルを、いろいろな習慣を見せて、主観が偏見に過ぎないことを教える
課題の全体像も(できる限り)見せる
重要な受けての尺度も、主観の一つだ
経験データーベースを拡充することによって、受け手の尺度も所有しよう
アングルの中に、想像力が羽ばたくきっかけがある
そこからは、脳内ツリーの仕事
一気にアイディアまで到達すればよい
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「コピー」はそれ自体は短いですが、それを生み出すには相当な時間、労力が必要であるということがよくわかります。
10代の頃、糸井重里さんをみて、コピーライターって楽な仕事だなーと思った頃がありますが、それは全くの認識不足だと言うことが分かります。
まあ、センスがある人であれば、楽チンな商売なのかも知れませんが、普通の人にとっては、とても大変な仕事だと思います。
それが、この本で再認識できました。
極限まで言葉を削ぎ落とした、完成された「コピー」は素晴らしいと思います。
コピーライティングの世界を是非、味わってみて下さい!